つちのこの巣穴

未確認生物による、未確認な世界の記録。

投資信託

 本稿では、投資信託について私の思うところを言及したい。

 私は数か月前から三井住友信託銀行でNISAを始めた。既にご存知の読者も居られると思うが、NISAとは小額投資非課税制度のことで、その名の通り120万円迄の投資に限り売却益と配当に係る税金が非課税になる制度の事である。元々は同行に勤めて居られる大学の先輩の勧めで口座を開設したのだが、以下の理由から積極的に投信を利用する事となった。

 1つ目は、実利的な意味合いである。銀行が超低金利時代を迎え、金を預けても大した利息が付かない昨今だ。今や普通預金のメリットといえば、箪笥貯金よりかは安全に資産管理できるだけマシ、といった程度のものである。私もメインバンクとしてゆうちょ銀行、アルバイト用の給与口座として地域の信用金庫を利用しているが、正直預金で儲かった経験など一度も無い。寧ろあるのは手数料ばかり取られた記憶だけだ。こうした状況で、折角資産を預けるのだから多少なりとも得になるものをと考えた。そこで手を付けたのが投信だ。少額資本で始められる投資としてはFXもあり、実際私もやってはみた(これについては稿を改めていずれ言及したい)ものの、継続的に運用益を出すにはかなりの労力が必要だと感じた。或る程度放置していても受託者が勝手に運用してくれて、且つ預金よりかは金になる、というのが投信の魅力である。

 2つ目は自身の浪費癖に因るものだ。恥ずかしながら、私は天性の浪費家で、財布に金があればあるだけ使ってしまう。そればかりか、何処でも下せるゆうちょをメインバンクにしているものだから、口座の中身も常時スッカラカンだ。投信は、一度買い付ければ売却にそれなりの手間がかかるから、これを利用し己の浪費に歯止めをかけようというのが狙いである。

 3つ目はかなり副次的なものだが、社会勉強という意味合いである。投資をするのだから、勿論政治経済による値動きが起こる。取分け、私が資金を投入しているのは外国債・株であるから、この値動きはより顕著だ。投資で多少なりとも儲けようと思うならば、否が応でも社会情勢に敏感にならざるを得ないのだから、社会人になる前の勉強にもなるだろうというところである。

 今月の仕送りを利用して(親から頂いた金を投資に充てるというと聞こえが悪いが、上記の理由からのことであるからお許し願いたい)、今日はNYダウのインデックスファンドを買い付けた。私はアメリカ政治を主として勉強しているから、それならば同国の未来に資産を託してみるかと考えた次第である。米中間の貿易問題がどれくらい尾を引くのか気がかりだが、先日のFRBの追加利上げから見て分かる通り、アメリカ経済の好調は今後暫く続くだろうから、問題はないだろう。

 以上、本稿では私が投信を始めた切っ掛けから、現在の投資状況について言及した。投資を賭博か何かと勘違いなさっている御仁が多く居られるからか、我が国ではまだまだ、大衆が投資を通じて資産管理するには至ってない。しかし、本来投資とは、己が信ずる人・物・未来に資産を預けるという、大変価値のある行為だ。自らの資産が、何処の誰の為に使われるのかが分からない銀行預金よりも、よっぽど人道的意義がある。NISAを通じて、投資がより一般的な資産管理の手段としてこの国に普及することを願って止まない。

 では、本稿はこのあたりで終わりにしたい。ご高覧、感謝する。