つちのこの巣穴

未確認生物による、未確認な世界の記録。

コーヒー

 本稿では、私のコーヒー好きについて言及させていただきたい。

 意外と周りの人間に知られていないが、私は無類のコーヒー好きだ。カフェや喫茶店に行けば必ずといっていいほど、コーヒーしか頼まない。多くの人間がなんたらマシマシフラペチーノとやらを頼む、シアトル生まれのあの店でもだ。別に甘いものが嫌いなわけではないが、コーヒー以上に頼む必要性を感じないのだ。

 もちろん家でもコーヒーを飲む。朝起きると、実家から持ってきたコーヒーメーカーで豆を挽き、湯を沸かす。これが日課だ。豆は近所の輸入食品店で売っている、業務用コロンビア100%だ。コーヒーの品種にはさしてこだわりがないが、ブレンドよりもストレートの方が雑味がなく、味がわかりやすい(気がする)ので好きだ。また、私はあまり酸味の強いコーヒーは好みではないから、南米系といったところである。

 一方コーヒーを豆で買うのには強いこだわりがある。これは私の持論だが、コーヒーはやはり飲む直前に挽くのが、香りが引き立っておいしいくなると思うのだ。レギュラーコーヒーやインスタント、あるいは缶コーヒーも特段まずいと感じるわけではないが、やはり一回一回豆から挽くコーヒーのうまみにはかなわない。

 次に、外で飲むコーヒーについて言及しておこう。私がいつも外で入るカフェといえば、サンマルクカフェである。なぜサンマルクかといえば、それは明確な二つの理由によるのだが、①低価格でそれなりにおいしい②喫煙席が広い、というものだ。正直マクドのコーヒーもそんなに悪くはないと思うのだが、喫煙席がないのが玉に瑕だ。コーヒーにはやはりタバコだ。紫煙をくぐもらせながら飲むコーヒーはそれだけで格段に美味しくなる。

 しかし、やはり高級なコーヒーというものもそれなりにうまい。一度就活で、新宿にある椿屋珈琲店という喫茶店(カフェという雰囲気ではない)に入ったのだが、コーヒー1杯980円という価格に仰天してしまった。周りを見渡すと、いかにも品のよさそうな壮年の紳士やご婦人ばかりで、なるほどそういう店なのかと理解した。せっかく来たのだからと頼んでみたところ、これまた品のいいメイドさん(アキバのあれではない。ちなみに私はアキバのメイドカフェの経験もあるので、それはまた別の記事にて言及したいと思う)が、フラスコみたいなポットからコーヒーを入れてくれた。そのコーヒーは、コクと香りが際立っており、さらに苦味と酸味が絶妙なバランスを保っていた。一体豆は何を使っているのだろうか。気になるところだ。ともかく、高いものにはそれなりに理由があるものだと改めて感じたのだった。

 以上、本稿では私のコーヒーとの付き合い方について言及した。実のところ、私はコーヒーそのものというより、コーヒーを飲んでいるその空間自体が愛おしい。思案を巡らせたり、誰かと談笑したり、読書に耽ったり、そうしたゆったりとした時の流れをコーヒーは与えてくれる。そんなコーヒーのある暮らしを、これからも大切にしていきたい。

 では、本稿はこのあたりで終わりにしたい。ご高覧、感謝する。