つちのこの巣穴

未確認生物による、未確認な世界の記録。

【つちのこヨーロッパ紀行⑦】イスタンブール⇒ローマ

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夜明け前のイスタンブール



 夜の終わりを告げるアザーンが鳴り響くよりも前、5時過ぎごろに我々は宿を出た。2日間お世話になったイスタンブールとのお別れの時が近づいていた。我々が向かうは、イスタンブール・サビハ・ギョクチェン空港。イスタンブールにある2つの国際空港のうちの一つだ。とはいっても、日本からの直行便は全てもう一つのアタトゥルク国際空港に発着するため、日本人には馴染みがないかもしれない。ちなみにサビハ・ギョクチェンというのは人名で、トルコの軍人で世界初の女性戦闘機パイロットだったそうな。ギョクチェン氏はムスタファ・ケマル・アタトゥルクの養子だそうで、親族でイスタンブールに二つも空港の名を冠している人物がいるというのはなかなか驚きである。

 

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サビハ・ギョクチェン氏(ウィキペディアより引用。)

 さて、このサビハ・ギョクチェン空港、実は旅人にはなかなかの厄介者なのである。というのも、兎に角行きづらいのだ。場所としては、イスタンブールのアジア側のかなり東にあり、かつ鉄道が通っていないのである(2019年2月現在、地下鉄が延伸して空港に直結する予定だったのだが。ちなみにイスタンブールには3つ目の新空港ができる予定なのだが、これも未だ開業していない。トルコのゼネコンには納期という概念がないのか?)。そのため、空港にいくためには、ハワタシュというシャトルバスに乗るか、路線バスを利用するしかない。しかし、観光地として多くの観光客が宿泊しているであろうイスタンブール旧市街には両者とも乗り入れておらず、発着している新市街、或いはアジア側へと何らかの交通手段で移動しなければならない。

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海峡高速鉄道マルマライ。

 交通渋滞が激しいイスタンブールで、バスで空港に向かうのはなかなかにリスキーである。とはいえ、あまりに早朝に出ても、ボスフォラス海峡を渡る手立てがない。前日の夜11時頃まで頭をひねって考えた案が、海底高速鉄道「マルマライ」の始発で海峡を突破し、路線バスで乗り込むというものだった。マルマライは、大成建設が建造に携わった鉄道で乗り心地も最高だった。地獄だったのは路線バスである。鬼満員状態でバックパックを背負ったまま立っているだけでも相当辛いのだが、そこにトルコ流のハイパー荒運転が加わるのである。空港に着いた時にはゲロ吐きそうになっていた。

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サビハ・ギョクチェン空港。

 空港に着いた私たちだが、苦難はまだまだ続いた。今回はペガサス航空というトルコのLCCを使ったのだが、預入手荷物を巡ってひと悶着あったのである。普通、預入手荷物はチェックインが済むと係員の後ろを流れるベルトコンベアーに乗って、客からは見えないところに流れていくものだが、我々が指示されたところではフツーにカウンターの隣の、それも普通の客がガンガン横を素通りしている籠に入れておくようにとのことだった。誰でも盗めるやん。結局セキュリティー抜けるまでずっと籠を監視していた。この空港、WiFiは飛んでないし、売店はほぼないし、結構難儀した。こんな訳で、へとへとになりながらトルコを後にしたわけだが、空港で暇を持て余してる時にトイレ掃除のおっちゃんがめっちゃ日本人好きで話しかけてきたのでまあ時間は潰れた。なんでかわからんけど、この国めっちゃ日本人好きなんだよな。ま何だかんだで俺もトルコ好きになったし、まあええか。

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ペガサス航空の機内食LCCだけど、受託手荷物有で席指定だとサンドイッチが付いて8000円くらい。めっちゃ安い。

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 そんなわけで、二時間ちょいのフライトを終えて、我々は一路ローマ・フィウミチーノ国際空港へ。私はこの旅で二度目のEU圏入境である。入国審査のおっちゃんが何だコイツみたいな顔してたけど、まあなんとかなった。んで、今度は高速列車でローマ市内まで寝てる間に爆速で移動。アクセス良すぎて涙した。やっぱ国際空港はかくあるべきだ。

 ちなみに空港の入国ロビーに着いた瞬間からかなりビビってた。というのも、イタリアのスリの多さは折り紙付きという情報をクソほど聞いていたから。特に空港や、ローマのテルミニ駅はマヌケな観光客が大勢訪れるからガチで気を付けろとの情報があったからである。今回の旅は親族には内緒なので、何かトラブルが起きたら一発アウトである。結果として死ぬほど警戒していたおかげもあって、何にもトラブルはなかった。

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ローマ・テルミニ駅の中。イタリアは近代以前から街が出来上がってて、鉄道が市内に乗り入れられないので、たいていの都市の大きな駅はスイッチバック構造になっている(阪急梅田駅とか近鉄名古屋駅みたいな感じ)

 ローマという街は、様々な時代の歴史が詰まっていてなかなか面白いのだが、今回ローマには3日間滞在する予定だったので、初日にサンタマリア・マッジョーレ教会やヴィットーリオ・エマヌエーレ記念堂など比較的近世・近代のもの、2日目にコロッセオフォロ・ロマーノといった古代のもの、3日目にバチカンとその周辺を見物しようという運びとなった。

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サンタマリア・マッジョーレ教会。

 

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ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂。

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パンテオン

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スペイン広場。現在はジェラート食べるどころか階段に座るのも禁止です。



 まあいろいろ見物したんだけども、一々感想を書いていくとキリがないので概観だけ。まず、教会系。イスタンブールで見たコンスタンティノープル教会がガチガチ東方正教会なので、ステンドグラスとかどでかいキリスト像がないんだけども、こっちにはそれがあってなんだか豪華。やっぱカトリックだね。んで、次にスペイン広場とかトレビの泉ね。クソ混んでて観光どころじゃないわ。7月から、スペイン広場の大階段での座り込みが禁止になったようだけど、まあ行ってみりゃそらそうだわなとなるわ。ほんで、私が一番おすすめしたいのが、ヴィトーリオエマヌエーレ2世記念堂なんだけども、これがマジでいい。まず人が居ない。それからローマ市内を一望できる。そしてタダ。何をするにも人を掻き分け金を払わにゃならんローマで一番いい場所。ローマに行ったらぜひ行ってみてほしい。

 まあご存知の人はご存知なんだけども、オタクなんで、ローマと聞くと「ガンスリンガー・ガール」を思い出すよね。すごいよマジで。街並みがどこ見てもその雰囲気。1本でも裏路地入ればマジで公社の人間に出くわしそう。てな感じで非オタのお友達二人をよそに密かに聖地巡礼的ななにかに勤しんでた。ちなみに、イタリア観光これからマジでアニメの話ばっかりするから、先に謝っときます。ごめん。

 

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何度も言いますがスペイン広場で座っちゃダメです。

 そんな訳で、朝からクソほど移動しまくって、かつローマでもそこそこ観光したので割りかしクタクタ。スペイン広場近くのトラッテリアで飯食ってホテル帰って爆睡しましたとさ。

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パスタうめー!!けどサイゼの3倍ぐらいする…サイゼは偉大なり。

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(ヨーロッパ旅行⑦ ローマ中編に続く)