つちのこの巣穴

未確認生物による、未確認な世界の記録。

ヨーロッパ旅行④ アムステルダム⇒イスタンブール

 2月9日 場所;アムステルダム 天気;晴れ

 

 時差ボケ故に倒れ込むように眠たおかげで、翌朝の目覚めもかなり早かった。

 3時ごろシャワーを浴び、荷物を纏める。5時くらいには寝室を後にし、共用スペースで時間を潰す。無料の朝食サービスは8時からだったので、それまでは宿の無料WiFiを使い情報収集に徹することにした。朝食サービスが遅いように感じていたが、その理由として、オランダが日本より高緯度にあるため日の出が遅く、生活リズムがそもそも遅めであるという事がわかった。朝食は、ライ麦パンとハム、コーヒーと、農業国らしい大量のチーズとバターで、これが非常に美味しかった。この日の宿は、1泊22€=2750円、日本でいえばカプセルホテルレベルの値段を出せば、十分広いベッド(オランダ人の大柄故か?)とまともな朝食が出てくるという点で非常にコスパがよかった。場所が辺鄙なところにあるので、それが唯一の難点ではあるのだが。

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アムステルダムの朝。寒そうだけど寒くない。札幌の方がはるかに寒い。

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朝食。美味すぎて2回おかわりした。

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泊まった宿は、廃校した大学の校舎を再利用したものらしく、なるほど造りも学校然としていた。





 宿を出てトラムに乗り、昨日も訪れたRijinksmuseumへ。レンブラントの「夜景」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」など、世界史の教科書にすら載っている超有名名画が目白押しの美術館である。それだけでも十分にすごいのだが、更に驚くのは館内での撮影が可能だという点である。流石ヨーロッパ、懐が深いと感心した。

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国立美術館前景。東京駅みたい。

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レンブラント「夜景」。思ってたよりでかい。

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フェルメール「牛乳を注ぐ女」。





 国立美術館は博物館も兼ねている。驚いたのは、少なからぬスペースが鎖国下日本との交易に関する展示に割かれていたことである。写真にあるように、長崎・出島の模型や日本人の役人を描いた風俗画とともに、17世紀の日蘭関係について説明がなされていた。鎖国下日本におけるオランダの重要性は、我々日本人にとっては今日でもよく知るところではあるが、一方でオランダの側においてもその関係がある程度重要視されていることが垣間見えた。

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日蘭の絆を感じる。

 

 博物館を後にし、街を少々散策した後空港に向かう。チェックインを終えるとなぜかゲート集合時刻が搭乗の1時間も前で、時間はぎりぎりだった。追い打ちをかけるようにセキュリティーは長蛇の列。やきもきとしていたところ、「日本人か?」と空港職員に聞かれ、そうだと答えると、自動化ゲートへいけとのこと。自動出国ゲートは先ほどの混雑が嘘のように空いていた。日本のパスポートの力、おそるまじ。

 

 そんなこんなで大慌てでゲートにやってきたわけだが、何と搭乗便は強風で遅れるとのこと。ならなんでそんな急がせたんだとブチ切れそうになった。近くのバルへ行き、ハイネケン(オランダなので)とタコスを頂いて時間を潰す。

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ビールは1Pnt=500mlで4.95€。空港にしては安い。



・フライト2本目 アトラス・グローバル アムステルダム・スキポール国際空港⇒イスタンブール・アタトゥルク国際空港

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ゲートブリッジが邪魔で機体が撮れない。



 3時間遅れで搭乗。使用機材はボロボロのエアバスA320。この航空会社、聞いたことないところだが、何から何までまあお粗末。まず客室についてだが、シートはボロボロ、床は屑だらけ、機内誌はページがところどころ破れている。機内食は牛丼(なぜこんな欧州のどまんなかで米が出てきたのかは謎。当然ながら東洋人の乗客は私のみである)だったが、付け合わせのジャガイモの酢漬けが如何せん不味い。先の遅延と合わせて、いろいろと不満の多いフライトであった。

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おそらくこの旅行の中で一番まずかった飯。



 出発の遅延のおかげで、イスタンブールに着いたのは11時前だった。旅の同行者である友人2名は翌日の早朝便でイスタンブール入りする予定だったので、この日は空港近くのホステルを予約していたのだが、大正解だった。タクシーを捕まえ、ホステルへ向かう。翌日も早朝に友人を迎えに行かねばならなかったので早めに寝たかったが、ここで大問題が発生した。

 

 コンセントが嵌らないのである。実はアムステルダムでもそうだったのだが、日本のコンセントのように差し込み口が平面でなく、少し奥にへこんでいるのだ。それ故に、筆者が持っている万能変換プラグがそのへこみにつっかえて嵌らない。一大事だ。スマホが充電できなければ、友人と連絡が取れず、従って今回の旅行が始まる前から終わってしまう。宿に聞いてみるも、貸し出せるプラグはないとのこと。初めての土地で深夜に出歩くのはなるべく避けたかったが、背に腹は変えられない。USBプラグを求めて私は夜のイスタンブールを彷徨い歩く。

 

 夜遅くで多くの商店は閉まっていたが、かろうじてキヨスクは何軒か開いていた。勿論英語は通じないし、私もトルコ語は話せないので、グーグル翻訳を駆使してなんとか交渉する。3軒回って、ようやく意味を理解してくれる店主に出会った。大柄のプロレスラーみたいなこの店主は、見た目こそいかつかったが、私が困っている旨を伝えると、自分が私用で使っているプラグを私にくれ、更に売り物ではないからタダでやると言ってくれる心優しい御仁だった。人の厚意は、困っているときこそ身に染みるものである。心の底からの感謝をグーグル翻訳越しに伝え、私は宿に戻った。

 

 そんなこんなで時刻は1時。4時には友人の乗る便が到着するため、束の間の仮眠だがとらないわけにはいかない。こうして怒涛の2日目が幕を閉じた。