つちのこの巣穴

未確認生物による、未確認な世界の記録。

香港旅行③

 11月21日(水) 3日目

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尖沙咀のフェリーターミナルとフェリーから見た香港。

 この日はマカオへショートトリップすることに。香港とマカオは湾を挟んで反対側にあり、フェリーで約1時間ほどの距離にある。マカオ行きにフェリーは尖沙咀東岸と上環の2つの港から出ている。尖沙咀の宿を出た我々は勿論前者のフェリーターミナルへ向かう。ターミナルへ着くと、フェリー会社のカウンターの前でチケットを手売りする若者がおり、甚だ本物の業者なのか疑わしかったが、当のフェリー会社の目の前で売っているからまあ大丈夫だろうと判断し、とりあえず往復のチケットを購入した。結果すんなり乗船できたので問題はなかったが、ここで往復のチケットを購入したことが後に大きなハプニングを生むことになる。

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マカオ市街中心部に立つホテル・リスボア。

 波に揺られて約1時間半、フェリーはマカオ・タイパフェリーターミナルへ。ホテル業者が運営するシャトルバスでマカオ中心部へと向かう。知っての通り、マカオは東洋のラスベガスと呼ばれるほどカジノリゾートが発達しており、その運営会社は空港や港からホテルやカジノ迄のシャトルバスを運行している。行きの便は誰でも無料で乗れるが、帰りの便はリゾートの利用客しか使えない。実に合理的な制度だ。

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コロニアルな香り漂うセナド広場とモンテ砦。

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モンテ砦からはマカオ市内が一望できる。


 マカオで最も有名なカジノであろうカジノ・リスボアを横目に、われわれは世界遺産であるセナド広場へと向かう。マカオは1887年から1999年迄ポルトガルの海外領土であった。セナド広場含む一帯には、植民地時代の名残を示すコロニアル建築が散見される。広場から少し歩くとかつてポルトガルの要塞だったモンテ砦が見えてくる。高台にあるため、マカオの街並が一望できた。

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カレーおでん。お伝というよりモツ煮込み。店内ではモヤさまが放送されていたが、反応したのは私たちだけだった。

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梅田では行列必至の貢茶のタピオカミルクティーも至る所にある。

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マカオ名物のポークチョップバーガー。




 再び広場に戻り、我々はマカオのストリートグルメを満喫することに。まず一つ目はカレーおでん。実はポルトガル対日貿易の経由地としてマカオは昔から我が国との結びつきが強かった。そんな中、日本のおでんが伝わり、同じくポルトガルの海外領土であったインドのゴアから伝わったカレー味が融合したという、ポルトガルのアジア航路を舌で味わう逸品だ。続いてはポークチョップバーガー。これは豚の一枚肉をパンで挟んだ素朴な味わいだ。長崎で食べた角煮饅頭に近いものを感じた。ちなみに、マカオと言ったらエッグタルトと思われる御仁もおられるだろうが、生憎前日に香港で食していたのでこの日はパスした。

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ホテルの中に入るとそこはヴェネチア

 タイパ島に移り我々は新興のカジノリゾートが密集するエリアに向かう。そのうちの一つ、ヴェネチアン・カジノリゾートには、何とホテルの中にヴェネチアを模した運河があり、ゴンドラで周遊できる設備があった。乗船すると、愉快な船頭が小気味よい歌を口ずさみながら、手慣れた手つきで舟を漕ぐ。約15分で船旅はおわり、我々はヴェネチアの香り漂うリゾートから出てきた。その後、お持ちかねのカジノを満喫し(手賭けはミニマムベットが大きすぎて断念した。結局マシンでちまちまと稼いでたら1000円ちょい儲かった。正直パチンコとそんなに変わらない。)、我々はマカオを後にすることにした。そして事件は起こった。

 前述したとおり、カジノ行きのシャトルバスは、それなりの買い物をしなければ帰りは乗せてくれない。仕方がないため、路線バスで港迄行くわけだが、カジノでぎりぎり迄遊んでいたため、フェリーターミナルに着いたのは船が出る約20分前だった。マカオと香港は、いくら近いといっても全く違う行政区であるから、行き来するためには出入境審査が要るのだ。20分前でも結構ぎりぎりである。

 だが港に着いた我々はさらなる悪夢に見舞われた。なんと、フェリーが出る港が違うというのだ、というのも、我々が今いるのはマカオ半島側にあるマカオ・フェリーターミナルであり、そして乗る筈のフェリーが出港するのは先程迄居たタイパ・フェリーターミナルだったのだ。抑も我々は、自分達がマカオに到着した際の港を勝手にマカオ・フェリーターミナルだと思い込んでいたのだが、実はタイパの方に着いていたのだった。チケットの券面を見れば分かる事なのだが、全く思い込みとは怖いものである。我々は一縷の望みをかけてタクシーに飛び乗った。ここでもドライバーの腕が炸裂し、何と5分くらいでタイパに着いた。時間ぎりぎりで我々は出国し、無事フェリーに乗り込んだ。ある意味でカジノ以上にギャンブルな賭けだった。

 フェリーに乗った後もハプニングは続く。海は大時化で、海なし県・岐阜の民である私は完全にノックダウン。気持ち悪さを堪え下船すると、降りたのは我々の住まう九龍半島とは反対側の香港島・上環だった。へとへとになりながら地下鉄に乗り、この日も宿に着いたのは日付が変わった後だった。当然夕飯を食べに行く気力は無く、香港最後の晩餐はマックになった。(ここ数カ月マックを食べていなかったが、期せずしてこの旅行ではマックを二度も食べることとなった。)

(香港旅行④に続く)

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ボロネーゼバーガーという期間限定商品が非常にうまかった。