つちのこの巣穴

未確認生物による、未確認な世界の記録。

香港旅行①

 新年明けましておめでとう。読者の諸君らはこの年末年始をいかが過ごしただろうか。私はというと、例年のごとく実家でこたつに潜りながら、何とも生産性の低い正月を過ごしていた。そんな穏やかな年越しとは裏腹に、平成という一時代が終わる大変革の2019年が始まった訳だが、今年も読者の諸君にとっては変わらぬ良い年であることを祈っている。

 さて、前置きはこのくらいにして、新年一発目の記事を何か書こうと考えたのだが、そういえばまだ昨年11月に大学の同輩らと行った香港旅行について記事にしてなかったと思い、この特別な記事にするにはちょうど良いと考えたので、今回はこちらについてしたためたい。

1日目 11月19日(月)

 阪急・JR・南海を乗り継ぎ、正午過ぎに我々は関空に降り立った。空港のマックで食事をしていると隣に座ったシカゴからのご婦人から話しかけられた。今回の旅の同伴者には国家公務員総合職内定者(いわゆる官僚)がおり、たじろいて居た英語弱者の私を尻目に流暢に会話していて、やはり官僚は違うなと素直に感心してしまった。ご婦人に別れを告げ、保安検査を抜けて出国。関空からの出国は今回で5度目なので、既に勝手知ったりといったところだ。

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香港エクスプレスの機内から見た風景。

 今回使った航空会社は、「香港エクスプレス」というLCCだった。関空にはLCC専用の第2ターミナルがある(ちなみにこのターミナルは設備もLCC相応のレベルでなかなか仰天する)が、今回はレガシーキャリアも乗り入れする第1ターミナルからの出発となった。香港エクスプレスはLCCであるものの、シート間隔はそれなりにあり、窮屈という事は無かった。勿論、映画や音楽などのエンターテイメントはないが、飛行機に乗ったら十中八九爆睡する私にとっては大した問題ではなかった。

 大阪を発って約5時間、我々は香港国際空港に降り立った。入国し無事荷物も受け取ると、我々はタクシー乗り場へ。香港では、行先ごとにタクシーの車体が色分けされている。市街に向かいたい我々は赤色のタクシーに乗った。このタクシーの運転手が凄腕で、ガイドブックで3,40分と書かれていた道のりを20分程度で爆走した。

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美麗都大廈の入口。

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別日に撮影した美麗都大廈の入口。

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ゲストハウスのバスルーム。便器の真上にシャワーが付いている。ピンクと緑の液体は、どちらがシャンプーでどちらがボディソープなのかわからなかった(私はピンクがシャンプーだと解釈して使った)



 ホテルは香港一の繁華街・尖沙咀(チムサーチョイ)にあり、美麗都大廈といういかにも香港という佇まいの雑居ビルの一角に位置していた(バックパッカーならご存知だろうあの悪名高い重慶大廈の1ブロック隣だった)。ターバンを巻いたインド系のフロントにキーを貰い部屋に入る。部屋は狭いものの、清潔に保たれおり、シャワールームとトイレが共通(何を言っているかわからない読者は写真を見て想像してほしい)であることを除いては満足できる宿だった。

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倫敦大酒楼での食事。

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香港名物のブルーガール・ビール。


 ホテルに荷物を預け、夕食を食べに地下鉄で旺角(モンコック)へ。倫敦大酒楼というレストランは、安価な価格で本格的な点心を楽しめることで日本でも有名だそうで、私の大好きな台湾でいうところの鼎泰豊に相当するようなところだ。日本人客が多いのか、我々を日本人とみるや否や、すぐに日本語メニューを持ってきた。点心とともに頂いたのはブルーガールという香港の地ビールだ。苦味が抑えられており、ビールが苦手な日手でも飲みやすい口当たりだと感じた。

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許留山という甘味チェーンで休憩。

 夕飯を終え、旺角の夜市をうろうろしていると、おいしそうなシェイクジュース屋を発見。店員のおすすめを聞き、私はマンゴー・アロエ・ココナッツのフレーバーを選択した。外国の甘味というのは、兎角甘さが強すぎて好きになれないものだが、これはすっきりとしていて美味しかった。ここ香港では、電車や駅での飲食が禁止なので、飲み干してから地下鉄へ。ちなみに香港には街中いたるところに灰皿付きのゴミ箱があり、私にとっては非常にありがたかった。

 とここまで順調に進んでいた我々の旅行だったが、ここにきてトラブルが発生した。地下鉄を降りて、来る時に入ってきたはずのK11の出口から地上に出ると明らかに違う場所へ。時間は午前0時に差し掛かり、怪しげな男らがたむろしていたので一旦地下鉄構内へ引き返す。よく地図を確認すると、K11というのは出口に直結しているショッピングセンターの名前だということがわかった。無事元来た出口にたどり着いたと思ったら、今度は夜遅かったために、地上に続くエスカレーターが封鎖されておりまたも困惑。幸いにも隣のエレベーターで地上に上がる事が出来、事なきを得る。しかし今度はホテルに続く雑居ビルが封鎖されており、再度困惑。大通りに面した別の入り口に向かうと、ビルの管理者らしきインド系の男性にパスポートを渡すよう求められる。真夜中過ぎの繁華街で他人にパスポートを渡すなど言語道断だが、背に腹は代えられない。ビルに入れてもらうため我々は男の求めに応じた。

 そんなこんなで我々が宿にたどり着いたのは午前1時前。時差を考慮すると2時前まで街を練り歩いていたわけだから、もうへとへとだった。シャワーを浴びると体と瞼はみるみる重くなり、ものの30分で私は深い眠りについた。

(香港旅行②に続く)

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香港の夜は眠らない。